月(ⅩⅧ)タロット・大アルカナ

月(つき)No.18
ⅩⅧ The Moon
タロット占い・カード意味解説事典
大アルカナ
当WEBサイトのタロットカードは「ライダー・ウェイト版」を使用し解説しています。

もくじ|ストーリーと解釈絵柄の意味タロットの意味一覧

ⅩⅧ 月

XⅧ(18) – 月 ”The Moon“ タロットカード 大アルカナ

§ タロット・月のストーリー

ザリガニが水辺から這い上がろうとしています。ザリガニは月から光の雫が降り注ぐの見て、そこに向かえば神の恵みを享受できる地へ辿り着くと考えました。しかし、ザリガニは水がないと生きていけません。神の恵みの地に辿り着くのは非常に困難なことです。
岸辺には獰猛な狼が2匹、月に向かって吠えています。狼はザリガニとは対照的に、空から鬼火が降ってきていると思い、そこに向かって吠えているのです。
これは、岸辺に上がり陸を進もうとするザリガニにとっては好都合です。狼が鬼火と勘違いして月に向かって吠えていなければ、ザリガニはすぐに狼に見つかってしまい餌食になっていたことでしょう。

§ タロット・月のストーリーからの解釈

ザリガニが水辺から這い上がり陸を進むのは無謀なことです。さらに、狼もいて身の危険があります。これは、“試練”を象徴しています。月の下でカード両脇に描かれる2つの塔のようなものは、神の恵みの地との境界を示し、遠景に描かれる山までは黄金色の1本の道があります。試練を乗り越えて神の恵みを享受することを象徴しています。
また、ザリガニは水辺に生きる生物です。良い環境で住み慣れた水辺から這い上あがり陸を進もうとするのは、ザリガニは安住の地にはいてはいけない、と考えたからです。今ある慣れた良い環境を捨てあえて試練の道を進み、苦難を越えた先にある今以上の幸せと恵みを得るように、との訓話が暗喩されています。
また、神がザリガニの為に光の雫を降らせた、とも解釈できます。チャンスを掴むためには乗り越えなければならない試練がある、という訓話もあります。

絵柄からのリーディング・ポイント

タロットカード・月に描かれる絵の一つ一つに示される意味、象徴するものについて解説します。

月の顔

タロット占いの世界に限らず、広く月は女性の象徴とされています。目をつぶり穏やかな表情の顔は女性の暗喩ですが、うつむいている形で描かれているため、敗北を暗示しているものでもあります。
月は満ち欠けすることから、”不安定“の象徴にもなっています。これもタロットの世界に限らず広く月に不安定さという意味を持たせています。特に、月は人の内面を示唆することから、精神的なものの不安定さを示します。
タロットカード・月に描かれる月は満月ですが、顔の後頭部分にある曲線は三日月形をしています。この描画の仕方は月の満ち欠けを抽象的に示しているもので、移りゆくものの象徴でもあります。
また、タロットカードの月は、外縁からの細かく放射線形が無数に伸び、太陽の様にも見えてしまいます。これは、太陽と月の対比、陰と陽の対比を示しています。これは、易での太極図、道教のシンボルにもなっている「陰陽太極図」にも共通して見られる陰陽の対比です。陰と陽、マイナスとプラス、表と裏という相反する人の内面=葛藤=をタロットカード・月は表現しています。

陰陽太極図

タロットカードの絵には、神の恵みの地の境界を示す門のような一対の塔で描かれていますが、これは、タロットカード大アルカナ「XⅥ 」との関連付けを示唆しています。
塔のタロットカードは旧約聖書「創世記」に書かれる「バベルの塔」のストーリーがモチーフになっています。バベルの塔は人々が散り散りにならないよう一つの土地に人を留めておく目的で建てられ、住みやすく繁栄した地を目指したのですが、これは、人々を地球上隈なく至るところに向かわせる神の意に反するものでしした。人々は、見知らぬ未開の地へ行くより、安住の地に留まることを選んだのですが、やがて神は怒り、バベルの塔を雷で一撃で破壊したのでした。(バベルの塔のストーリーは、「ノアの方舟」の後に書かれています。神の裁きによる大洪水の後、少数の生き長らえた人とその子孫は、一部の土地に集まったままであったため)
「バベルの塔」は、受けなければならない試練を利己的に避けることの象徴です。安住の地は、ぬるま湯に浸かっている状態でもあります。
このストーリーは、ザリガニが試練の道を進むことと関連付けられています。また、次項の「光の雫」においても、「塔」のタロットカードと関連付けられています。
ライダー・ウェイト版タロットカードでは、この塔は「XXⅠ 世界」へ続く入り口、門を象徴し、監視塔のようなイメージで描かれています。タロットカード大アルカナ最後のカード「世界」、最終ステージへと進む過程を暗喩しているのが、この「月」です。ザリガニが、水辺から陸地へと進む途中で描かれているのも、次へのステージへ進むことの象徴となっています。

光の雫

月のタロットカードに描かれる光の雫は、「XⅥ 」のタロットカードにも描かれています。XⅥ 塔また、「XⅦ 」に描かれる飛散した小さい7つの星と同一とされています。
これらはすべて”精神性が明確な形を示し始めた”ことを象徴しています。月・塔・星のそれぞれのタロットカードはどれも人の内面にあるもの、精神面に関連した意味や暗示を持つタロットカードです。

光の雫は、“マナ”であるという説も有力です。
“マナ”とは、旧約聖書「出エジプト記」に描かれる、モーゼが奇跡を起こし、荒野で飢えた民へ天から降らせた食べ物のことです。
モーゼの奇跡は、神が民衆を助けるために作ったものとされ、これも「神の恵み」であることを示しています。このことから、マナは「創造的エネルギー」の象徴となっています。

2匹の狼と2つの塔

2つの同一、ないしは同一類の一対のものは、鏡で移すような対立像の象徴です。この対立像は、人の内面にある葛藤を表現することが多々あります。また、タロットカードでは左から右に向かって過去から未来へ、という時系列があることを表現していることから、古いものから新しいものへの精神世界での相反性を表現するものでもあります。
「XⅧ 月」では、塔と狼という2つの一対ものが描かれていることから、無意識の中にある朧げな像が、具体的に示されていくことを暗喩しています。

ここでは、「2匹の狼」と表現していますが、“狼”と“犬”だという説も有力です。タロットカード・月の絵に描かれる2匹のそれぞれの色が異なるからです。
また、犬と狼という似て非なる一対のものが、内面の葛藤、矛盾を象徴するものでもあります。心の中では、まるで異なる2人の自分が存在しており、それが表面化された形です。
ライダー・ウェイト版タロットカードでは、右側が狼で、左側を犬としている有力な説があります。右側の狼が、人の内面にある本能的な部分を象徴し、これに対し、左側の犬は理性や社会性といった野性の動物には持たない面を象徴しています。
また、狼は「死と恐怖」の象徴、犬は、「死を司るもの」の象徴とする説もあります。
さらに、犬は人間に懐き飼い慣らされる動物であることから、「やがては好転する関係性」の暗示とする説もあります。

塔に向かう黄金の道

タロットカードの印刷上、金色には彩色されず黄色になりますが、解釈としては黄金色の道となります。
遠景にある最も遠い山にまで道は続いていますが、ザリガニにはこの道は見えていません。ザリガニは小さい生物で水辺から月と光の雫を見るだけで精一杯です。つまり、ザリガニは光の雫を見ただけで、神を信じ、住みよい水辺の住処を捨てたのです。強い信念があれば、目に見える敷かれた道などは必要がない、という訓話を表現しています。

ザリガニ

ギリシャ神話の中では、ザリガニや蟹は下等な生物と卑下されています。西洋占星術での蟹座宮にまつわるギリシャ神話では、ヘラクレスが水蛇ヒドラと戦ったときに、ヒドラに味方し加勢したのが巨大蟹カルキノスです。カルキノスはヘラクレスに呆気無く踏まれて殺されてしまいます。
日本でいう「猿でもわかる」というように、人間に比べて見下されたような生物でも、信念を持ってあえて試練へ立向う、という訓話的なストーリーが含まれています。
ライダー・ウェイト版タロットカードではザリガニがカードに対して上向きに描かれていることから、内に向かわず、外へ向かう意志や力を表現しています。しかし、ザリガニは岸辺へ上がりきっておらず、月の方を見ている絵は、月の持つ負のエネルギーに先へ進むことを躊躇、葛藤させることを暗示しています。

タロットカード・月の意味

タロットカード・大アルカナ・月が象徴するキーワード、テーマ

  • 隠れた敵
  • 幻想
  • 欺瞞
  • 失敗
正位置のときの意味:タロットカード・大アルカナ・月
  • 不安定
  • 幻惑
  • 現実逃避
  • 親友の裏切り
  • 裏切り
  • ウソをつかれる
  • 隠れた敵がいる
  • 見通しが暗い
  • 手探りの状態
  • 不安定な精神状態
  • 予期せぬ変化
逆位置のときの意味:タロットカード・大アルカナ・月
  • 軽微なミス
  • 過去が蒸し返される
  • 徐々に好転
  • 見通しがついてくる
  • 夜明け前の気持ち
  • 心の迷いが解消する
  • 徐々に好転する運勢
  • しばらくは待つ姿勢が大事
  • 誠実さを取り戻す

タロットカード・月:リーディングのポイント

タロットカード・月は、正位置では良い意味、良いイメージ、逆位置ではその逆のような印象を受けますが、タロット占いにおいては、必ずしもそうはなりません。
例えば、正位置の「不安定」は、恋愛において鑑定するとき、良い要素にも悪い要素にもなります。また、正位置の「予期せぬ変化」も同じです。片想いのとき、相手の気持ちの「不安定さ」、「予期せぬ変化」が良い方向に向かう兆しの場合がありますし、その逆の時もあります。
恋愛や相手の気持ちを占う時だけでなく、家庭、学業、進路、仕事、ビジネス、金運など他の事象を占うときも同じです。
タロットカード・月は、正位置・逆位置それぞれが持つ意味が、良い意味、悪い意味どちらにもなることを意識しながら、スプレッドでのデッキの全体的な意味、運の方向性をリーディングすることがポイントです。

タロットからのアドバイス・メッセージ

タロットカード・大アルカナ・月は占う人にアドバイス・メッセージを発します。スプレッド、出てくる位置によってリーディングの仕方は変化しますがタロット占いの参考にしてみてください。

正位置:タロットカード・大アルカナ・月
  • 実態が見えず怯えているのではないか?
  • 月の光だけでは見通せない。明るい所で確認すべき。
  • 進もうとする道は間違っていない。道の全貌が見えず不安、怖気付きがあるだけではないか?
  • 恐怖に気づかない図太さも必要。“知らぬが仏”もあり。
  • 不安がっているうちにチャンスを逃してしまう
逆位置:タロットカード・大アルカナ・月
  • 不安なことは解消されていく。
  • どこかで自分を変えることができる
  • 時間の経過とともに明るみにでる。道のりは長く、見えないが価値はある。
  • どこかに達したとき、自分は成長しており、もっと速く進むことができる

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タロット占い・カード意味解説事典

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小アルカナスプレッドタロットカードと西洋占星術の対比